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教室

2年越しのお約束を、ようやく。

 

 

2019年の出版時に、鎌倉のフリースクールLargoさまから講演をご依頼いただいた。

当時は話す仕事にまた抵抗があり、果たして当日はどうなってしまうのか、不安を感じながら日々の仕事に追われていた。

ところが、インフルエンザに罹患してしまい、延期を申し出た。そのとき、わたしはすぐに再び実現できると勝手に思っていたが、今度は父の病が発覚し、瞬く間に家族総出の闘病生活が始まってしまった。そして追い打ちをかけるように社会全体がコロナ禍に入った。

すでにみなさまにお伝えしている通り、父はわずか半年でこの世を去った。亡くなったあの日のことはすべて鮮明で、いまだに色鮮やかにフラッシュバックする。些細な出来事がトリガーとなり、あの日に何度も遡ってしまう。

父が亡くなってから、2年間はあっという間に過ぎてしまった。喪に服していたと言えば聞こえはいいが、なかなか頭で考えていることと実際に行動に移すために必要な気力を失ってしまい、何をしていたのか記憶が曖昧である。

「100%ではないが、少しずつ、復活してきたかもしれない」

ふと自分の心がそうつぶやいたときに、有難いことに鎌倉のフリースクールLargoさまより再び講演の機会をいただいた。不思議と2年前よりも正々堂々と臨もうとしている自分がいて、当日もしっかりご飯をお腹の中に入れて挑んだ。

講演デビューがLargoさまで、ほんとうによかったと今は思う。子どもたちと保護者の方々が数名いらっしゃって私の言葉を真剣に聞いてくださった。

まともな社会人経験がないわたしが見様見真似で作成したパワーポイントも映し出された。実際に挑戦してみて思ったのは、書く仕事だけではなく、話す仕事も少しずつ軌道にのせたいと思った。

 

本来は2年前にお約束していた講演を、わたしの体調不良によりキャンセル。

父のことがあったとはいえ、ずっと気がかりだったが有難いことにふと思ったタイミングでお声かけいただき、無事にお約束を果たせた。2年越しというのも、らしいと言えばらしいのかもしれない。引き寄せのほんとうの意味を知ったのもこのときだ。

 

帰り道、湘南モノレールに乗っていたわたしは、まるでひとり旅で鎌倉散歩に来たかのように足取りが軽やかだった。

疲労も蓄積されず、それまでのわたしだったらまっすぐ帰るところを「せっかくここまで来たのだから」と円覚寺に寄り、先祖供養のために写経をする体力が講演後も残っていた。

あれから数ヶ月が過ぎ、また花を咲かせるようにご縁をいただき、今度も不登校経験をベースに自分の言葉でお伝えする仕事を依頼いただいた。文字に託してではなく、わたしの声にのせて大切なことをお伝えする仕事である。

ホームページに「伝える、広める」という欄を設定したのは我ながら無意識だったが、潜在意識は察知していたのかもしれない。

書く仕事と話す仕事ではアウトプットというよりも、感覚がまったく異なるようにも感じるが、不登校になるまでの間、中学時代は放送部に所属し、大学時代は駅員のアルバイトでマイク放送をしたりと、度胸があるのは、もしかしたら昔からなのかもしれない。

今のところ伝えるお仕事では原稿を用意せず、その場の空気を優先しながら話している。基本的に今までの経験やこれから思い描いていることをお伝えする機会が多く、いずれは原稿も必要なのかもしれないが、まだ進め方そのものについては研究中だ。

2022年は話す仕事に恵まれた1年になりそうで、なんだかひとりで勝手にワクワクしている。不登校時代のわたしには想像できなかった未来に辿り着いている。1年後どうなっているかはわからないが、ひとつひとつ積み重ねていくのみだ。

たとえご依頼がない時期があったとしても、わたしは毎日この小さなアトリエで動画を撮りながら話す練習を楽しんでいるだろう。

模索のステップから形になった瞬間の達成感は、一生の宝物だ。講演を無事に終えたあと、体中のエネルギーが巡るように循環しはじめるあの感覚は、わたしにとってずっと忘れられない感覚でもあり、その日の最大のご褒美でもある。

 

講演のご依頼は公式HPもしくはSNSのDMなどからご連絡ください。

 

<講演の実績(2022年)>

2022年5月 鎌倉のフリースクールLargoさまで講演会

2022年11月10日 不登校に悩んでいる学生たちと交流、「不登校経験と幸せ」をテーマに講演(クライアントさまの希望により具体的名称は控えます)

2022年11月 大学での講演予定(詳細は後日改めて報告いたします)

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