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書く、描く、あらわす

書く、描く、つくる。

毎日、生きていると、ときどき自分らしさが分からなくなる。オシャレな生活がしたいのか。丁寧な暮らしをしたいのか。

梅酒づくりを楽しむ私でいたいなぁ、とワクワクするときもあるし、『セックス・アンド・ザ・シティ』にでてくるキャリーのように、ハイブランドのバッグや靴を買いたい、と思うときもある。

自分らしさが分からなくなるというのは、書き手にとって、あってはならないことだと、私は考えている。どう生きたいのか、その方針がブレた瞬間、文章にも乱れが発生するからだ。

そんなとき、いつも自分の人生を他のものに比喩して(あらわして)、私らしさを確認する癖がある。

たとえば、自分の人生を色で例えたら「ネイビー」。赤も好きだが、明るい色よりも藍色のように、どこか暗さがなければ私ではない。

自分の人生を音楽で、あらわしたら「Merry Christmas Mr.Lawrence」。戦場のメリークリスマス。

不登校を経験してから、いつもどこか孤独だった。大人になった今も、少しだけ特殊な仕事をしている。おそらく今世では、孤独と仲良くなるように神様から設定されているのだろう。

戦場のメリークリスマスを聞いていると、激しい動悸も落ち着いてくる。涙も自動的に流れはじめる。

自分の人生を季節で、あらわしたら「秋」。春夏の洋服は一気に明るくなって、少し苦手だ。パステルカラーも得意ではない。大好きなネイビーも秋冬に比べると、洋服として登場しにくくなる。

毎年、秋に入ると「あぁ、自分の季節がきた」と思う。秋という、ひとつの季節のリズムが身体にフィットするのだ。そんな私の誕生日は、真夏なのだが。夏は、あまり好きではない。子どものときから、桜や向日葵よりも、紅葉を眺めている方が好きだった。

日本語の動詞は数えきれないほど存在するが、私の人生の大半を占めているのが「書く」ならば、その次は「あらわす」かもしれない。書く、あらわす、考えるを繰り返しているうちに、1年が一瞬で終わっていく。

今の仕事を「天職」と宣言していいのかは分からない。10年目に入って、ようやく宣言できる台詞だと思っている。ただ、今後は出版を機に、描く仕事やつくる仕事にも、少しずつ着手していく予定だ。

まだプランを練る時期ではあるが、書く仕事も含め、自分の感性で感じ取ったものを、最大限に表現しながら、1回きりの人生を精一杯、生きていたいと、考えている。

良い報告がお届けできるように、まずは土台づくりから。機が熟すのを、今は待つのみ。

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