14歳で不登校、適応障害。まっさらな新品の制服は、今も大切な思い出としてクローゼットの中で眠っている。
学生の私から「学校に行く」という日々をとったとき、何も残らなかった。学校を休んでいる私は、学生ではなかったら、この社会において肩書きは何なんだろう、と窓を眺めながら、よく考えていた。
最初は、ただ学校に行かずに、自宅で好きなことをしていた。
けれど、現実はそう甘くはない。眠れない。食べられない。人と話すのが怖い。人を信じられない。
次々と心身の不調があらわれはじめてしまった。当たり前の日常がすべて崩れ去ったとき「私に未来はない」と感じてしまった。
ベランダに出て下を眺めては、飛び降りれば楽になるかもしれないと思った。手首にカッターを当て、このまま切ってしまえば、何かから解放されるかもしれない。
何度もそう思ったが、自分の命を捨ててしまえば「死ねよ」とメールを送ってきた彼女たちの思い通りになると、私の場合はなぜかブレーキがかかったのだ。
そんな私も、今月で29歳になる。長かったようで、あっという間の29年目。
7月4日から絶賛発売中の『不登校だった私が売れっ子Webライターになれた仕事術』(自由国民社)では、暗いトンネルをどう乗り越えたのか、どうすれば自己流の働きかたを築き上げられるのかまで触れている。
Webライターというお仕事をはじめた当初は、ただ生計を立てるためとしか失礼ながら考えていなかった。
しかし、数年の時を経て今思うのは、今よりもさらに名前を肩書きとイコールにさせながら、たとえ人よりも悔しい思いをしたとしても、この世の中の常識を変えていきたい、進学にしても就職にしても、さらには人生においても、もっと自由に選べるように選択肢が増えてほしい、と考えるようになった。
『不登校だった私が売れっ子Webライターになれた仕事術』は、決してWebライターのギラギラな成功本ではない。繊細な若者、大人に向けた1冊である。
学校に行けなくても、受け皿はどこかにはある。会社勤めが難しくても、今の時代なら自宅でも仕事ができる。
学校に行かなければいけない、会社に行かなければいけない。「義務」を気にするあまり、自分を追い詰めてしまっている人も多い。
だが、そうではなく、自分を活かせる場所を探せばいいということ、その場所は、この世界のどこかには必ずあり、いくらでも今は自分らしく生きられる方法があるということを、本書を通して広めていきたいと考えている。
『不登校だった私が売れっ子Webライターになれた仕事術』自由国民社より、絶賛発売中。
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